見えないところに技術が宿る。塗装職人・⾧の“養生へのこだわり”

塗装職人・⾧(おさ)が語る、仕上がりを左右する「養生作業」へのこだわり。美しい仕上がりとお客様への配慮、その両方を支える丁寧な仕事の流儀をご紹介します。

 

お疲れ様です。塗装職人の⾧(おさ)です。
本日は、私が塗装作業の中で特に大切にしている「養生作業」についてお話させていただきます。

養生作業へのこだわり

塗装職人にはさまざまな流儀があり、同じ仕上がりを目指していても、そこに至るまでのアプローチは人によって異なります。
私の場合は、特に養生作業に強いこだわりを持っています。

養生には通常、2日ほどかけて丁寧に作業します。正直なところ、1週間〜10日後には取り外されて廃棄されるものですが、ここで手を抜くと、後々の清掃が大変になったり、仕上がりそのものに悪影響が出ることもあります。

意味のある養生であることが大前提ですが、見た目の美しさも重要だと考えています。汚く雑な養生は論外ですし、養生はお客様の大切なお住まいを汚さないためだけでなく、仕上がった塗装のラインがきれいに出るように設計されています。

お客様への配慮と現場対応

養生作業では、仕上がりに直結しない部分についても常に配慮しています。
例えば、風の強い日には養生ビニールがバタつかないよう工夫し、音や見た目でお客様に不快な思いをさせないように心がけています。

また、「お風呂の窓だけは毎晩開けたい」とご要望をいただくこともあります。そうした場合は、簡易養生を行い、作業終了時には養生を取り外してお帰りいただけるようにするなど、柔軟な対応を行っています。

道具の使い分けと経験からの学び

養生作業では、使用する資材も目的に応じて使い分けています。

  • 紙テープ
  • ガムテープ
  • マスカー(養生シートとテープが一体化したもの)

これらを、施工箇所や形状に応じて幅やサイズを調整しながら使用しています。
さらに、後の工程で養生を剥がす作業がスムーズに進むよう、撤去のしやすさも考慮して貼り方を工夫しています。

私自身、新人の頃は「しっかりやらないと」と思うあまり、過剰養生になってしまい、撤去の際に非常に苦労した経験があります。そうした体験を経て、今では「必要十分で美しい養生」を意識して作業しています。

本日は、養生について私なりのこだわりをお話しさせていただきました。
塗装にはまだまだお伝えしたいポイントがありますので、また機会があればご紹介させていただきます。

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